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喜劇映画のビタミンPart6~音が語る無声映画 音楽のレポート〜#サカモッツ の音楽

*記事の一部(楽器名、即興フレーズ等の詳細の説明)を変更しました。12/29

喜劇映画研究会 ツイッターの告知リンク




まり先生の映画のお仕事のご報告です。


<<はじめて『かれいどすこ~ぷ』をご訪問された方へ>>



このブログは、「むらさき幼稚園園長」「むらさきmusicラボ」のまり先生、


民族楽器、中世の放浪楽師の楽団「ぺとら」のまりりん、


渋谷ズンチャカ」などで創作楽器づくりワークショップをする楽器作家、


ブラジル系プログレ・ビックバンド「バンダ・ショーロ・エレトリコ」のパフォーマー、


喜劇映画研究会専属楽士(ミュージカル弁士・サウンドパフォーマー)の坂本真理が、


なんでもかんでも、記録にとどめている個人日記です。


主に息子パンダの動向をつづった「パンダ日記」というカテゴリーもあります。よろしくおねがいします。



1 楽士としてのスタンス







映画のことについての記事なので、


映画や活弁にご興味を持った方の当ブログへのご訪問にあたり、


まずは、私が喜劇映画研究会とつながりをもたせていただいたきっかけは、こちらをご参照くださいませ。


幼稚園園長と並行して活動していた楽団「ぺとら」で、メリエスの「月世界旅行」をバンド楽士で上映させていただいたという経緯を経て、喜劇映画研究会から2016年12月に、デビューさせていただき「専属楽士」となりました。




私は、専門がリトミックなので、「リトミシャンの坂本真理」ということを、いつも胸において、


踊ることも、演奏することも、楽器や、モノづくりをする時にも、そこから出発しているようにしています。


リトミックは、「時間と空間」の表現芸術。


無声映画も時間が絶えず進んでいる中での表現活動なので、


1992年にジュネーヴのリトミックの国際大会に参加した際に、


「リトミックとサインレトシネマ」というカテゴリーがあることに触れたことがあり、


映画とリトミック、同時代のヨーロッパに生まれたものの共通点について、


喜劇映画研究会の新野代表と意見交換をしていました。



国立音大在学中から、私は、楽器をメンテナンスしたり、作ったりすることに興味があり、


『楽器学』の講義に夢中になって、自作の楽器を音大の楽器資料室にも、


展示していただくほど熱心な生徒でした。


中でも興味をもったのは、


1900年代のピアノと、自動ピアノ、機械仕掛けのオルゴールの発展の中で、


映画館の座付きピアニストが、






巨大なピアノ鍵盤のついた演奏装置のいろんな紐をひっぱって、






太鼓や、シンバルを鳴らす映像でした。


私は、工作や手作りが好きなのと、


小6から音大卒業までの間、教会のオルガニストとしてレッスンを積み、いろんな教会のパイプオルガンを弾くチャンスに恵まれていたので、オルガンのストップ(スイッチ)のような、たくさんの紐をぜひ、ひっぱてみたいと夢を持つようになりました。



楽士デビュー1年。


まだまだ駆け出しの「無声映画楽士」ですが、


そんな古き良きアメリカの「ひとりオーケストラ」に憧れて、


いろんな音色を選んで、それをモノマネて、アタック音や、指の滑らし方で、


コントロールして、それっぽい音色をキーボードで演奏しています。


そして、同時演奏で、『自動で紐をひっぱると汽笛が鳴るような往年の映画専用打楽器付きピアノ』の気持ちで、


鍵盤を弾きながら、小さな笛や、タンバリンの仲間の太鼓を鳴らしています。




リトミックの先生らしいいろんなリズムが、つい演奏で、出てしまいます。


人の歩き方のリズムとか、ついつい追ってしまいます。


たぶん、私の演奏は、ずっと踊っているように聴こえるかもしれません。

長く、保育に携わっていたので、

こどもの感覚に響くような、映像を心で感じるままに、

心を揺さぶられた感覚をそのまま、音に置き換えることを目指しているつもりです。



活動写真弁士 坂本頼光さん

*坂本頼光弁士の活動予定ブログです。4/27に独演会を開催されるそうで、私も早々にチケットを入手しました。オススメです!



ご存知のように私は、映画についての知識が、まだ足りていません。


無声映画の専門の方々の演奏を拝聴すると、


大きな映画への愛や、理解に、敬服するばかりです。



ありがたいことに、


私は、「専属楽士」として、チームでの作品理解へのサポートを頂戴しています。


映画のエネルギーと、演奏のエネルギーが、できるだけイーブンであるようになど、


当時の命がけでつくられた映画に対してのリスペクトを教えていただきながら、


構成とメインテーマを作曲、もしくは、モチーフをインスパイアで借用して、即興演奏をしています。


経験と知識が足りない分、会からのアドバイスを吸収したり、


共演していただく弁士さんの感情を鏡として写し取って、演奏とシンクロさせるように心がけています。


前回の活動写真弁士「山崎バニラ」さんとのユニット「突貫レディ」についても、


詳しく音楽の制作過程をレポートさせていただきました。


上映作品「臨時雇の娘」については、「映画と。」のリンクをご参照ください。



**************





*文中の「京都国際映画祭ver.」は、2017年10月13日 2プログラム、5作品での坂本頼光弁士との共演のことです。よしもとの公式レポートへのリンク



 



「(サカモッツ)再結成ver.」は、今回2017年12月16日 エスパス・ビブリオにおいての喜劇映画研究会主催 「喜劇映画のビタミンPart6〜音が語る無声映画〜」 です。





1)優雅な水遊び  3


1924年(パテ)


監督・出演・製作国不明



<<京都国際映画祭では、88鍵盤をお借りして、今回は、61鍵盤のJUNO(キーボード)で、ほぼ即興で、弾き唄いです。女性らしさ、曲線みたいなことをイメージして、柔らかめに、最初の序唱以外は、楽な音程で自然さを表現してみました。ダイエットをしていない時代の、女性の体型のような、声もラクな感じです。音像の想像の手順は、「水」といえば、モーリス・ラヴェルの「水の戯れ」だろうと、そこから発展して「ラ・ヴァルス」の雰囲気を頭にいれて、あとは、画面の動きとナレーションの感情表現にあわせて、即興演奏しています。頼光弁士の最後の『種明かし』で、口調のトーンが変わられているのに、同調できるように留意しました>>




2)デブ嬢の 海辺の恋人たち


1915年アメリカ(キーストン) 製作:マック・セネット


監督・主演:ロスコー・アーバックル



<<以前、アーバックルの作品をバンドで伴奏をした時に気付いたアーバックルの動きの早さ「BPM」を割り出すと、まるで、ダンスを踊っているように、インテンポでフィジカルコメディをつぎつぎと繰り出している技に驚きました。

動きのグルーヴが、4拍目にアクセントがあるアーバックルは、本当に見いってしまいます。演奏はグルーヴィーに、後半は、時にロックで、狂気を醸し出すような主人公デビーをフォーカスして表現しました。>>



1部 ピアノ音色 グルーヴを出しつつ、コケたりぶつかったり、転んだりとうフィジカル・コメディの音を反射神経で、忠実に音でも語っています。サイレント映画には、ありもののBGMをあてることも多いと思うのですが、こうして、生演奏だと、クラッシュ音もリンクできて、面白いのでは?と、私は、思っています。


2部 京都国際映画祭ver.と同じく音色は、「サントゥール」。ナンパ男たちのニセモノの愛を、ホンキートークピアノに似せた「インチキ」くささと思ったのですが、「再結成ver.」では、それもまた一本筋が通っているだろうと、「サントゥール」らしい民族旋律にしてみました。京都国際映画祭から、「再結成」までの間の期間、楽団「ぺとら」公演で、オリエンタル10拍子曲、アラブ旋律、インドのターラなどを民族音楽を演奏していた名残がでているのかも。即興は、また、自分自身のダイアリーでもある気がします。



3部 楽団「ぺとら」自作曲「JOY」バグパイプメインの曲を、転用しています。京都国際映画祭では、波音を柳行李でSE(新野代表)にお願いしていましたが、今回は、新野氏のご助言と励ましで、鍵盤で波も表現してみました。最後に「デビー嬢」が、鮫の「ジョーズ」のように陸にあがっていくシーンでは、冒頭の「デビーのテーマ」のリフレイン。その前がずっと無音で、ゴジラみたいにこの音を弾く瞬間が、最高に楽しい!お客様よりも、楽士が笑っている不思議な光景。すみません。



これは、本当に頼光弁士の真骨頂の活弁が素晴らしく、音楽なんていらないなぁ~と、リハの度に、どんどんと音楽をそぎ落としていきました。3人のナンパ男が、大きい人が「ジャック」、中くらいの人が「ロイド」、一番小さくて活躍する人は、「トム」なのですが、全部、違う声がいり乱れて、たくさんの人がいるようです。私も大好きなシーンなので、声が聞き取りやすいように、でも、軽快な場のリズムは醸し出したい。無音と、あるのかないのかわからない音、BGMの音、いろんな演奏があるのですね。まだまだ勉強中です。




3)殲滅飛行船 4


1909年イギリス(ブライトン派)


製作:ロバート・ウィリアム・ポール、監督:ウォルター・R・ブース



以前にソロ(2017年6月)で演奏させていただいた際には、パイプオルガンメインの葬列(コルテオ)のような音像だったのですが、「どんな作品にもっていこうか?」というラフなセッションを経て、音楽も大幅に差し替えをして、アニメ作品のようなわかりやすい音像にもっていきました。この作品の制作過程において、「口調と曲調をシンクロさせる」という気づきを頂戴し、成長させていただきました。


「ED」ピアノ音色 大団円っぽいシネマ的な終わり方の中、戦争終結よりも、むしろ「二人の愛の世界」という小さい表現にしてみました。


4)播州皿屋敷 9分


1929年(賀古プロダクション)


監督:賀古残夢、出演:松井荘輔

<<キーボードから出る和物の音色とパーカッション、笛を使いました。>>


5)石川五右衛門の法事 21


1930年(松竹)


監督:斎藤寅次郎、出演:渡辺篤


<<頼光弁士がYahooオークションで落札した所蔵フィルムに、初めてオリジナル音楽をつけさせていただくことになりました。西洋の音楽が、ジャズもラテンもトラッドも混沌として日本に入ってきた時代、あちゃらか(あちら風の)雰囲気を出したくて、アイディアをたくさん出しすぎて、頼光弁士に、取捨選択をしていただきました。頼光弁士が、普段、営業で使用されている音源も聴かせていただいたのですが、これが、場面に実に沿った秀悦なもので、説明を妨げない音楽のお手本のようで、大変勉強になりました。頼光弁士が出演される公演で、ぜひ、BGMver.をご堪能ください。>>







6)固唾を呑んで32分


1924年アメリカ(ユニバーサル)


製作:アル・クリスティ、監督:スコット・シドニー、主演:ドロシー・デボア



<<無声映画ですが、主題歌も、挿入曲も作ってしまいました。頼光弁士の声技で、固唾を呑みながらも、笑どころのたくさんある楽しい作品となっています。頼光弁士に、一番マッチする音色は、私は、ブラス音だと思っています。そのつかいどころ、バランスを意識して全体を考えています。声帯模写が際立つ部分は、すべて音楽なしの無音にて、珠玉の声をお楽しみいただけるようにしました。頼光弁士の声には、倍音が含まれていて、楽器としても本当に素晴らしいアンサンブルを音楽に与えてくれます。今回は、声の倍音と楽器の倍音で口琴が使えたのが、倍音好きとして嬉しいポイントでした。>>






今回のセッティング。

最後になりましたが、

新米の私に惜しみないご助言で導いてくださった坂本頼光弁士には、御礼は言い尽くせないので、気持ちをこめて、これからもLiveに伺います!

そして、

いつも、
先の目線を見据えて、私をいく道を照らし、一緒に歩んでくださっている喜劇映画研究会の新野代表。
今後とも、
何卒、よろしくお願いいたします!
修行の道、頑張ります!



ラボのみんな。
「まり先生、またおばけの映画やってるの?」
と、
オフィスからはみ出ちゃってる機材を許してくれて、ありがと!



応援してくれるミュージシャン仲間、
リトミシャンたち、
癒してくれて感謝❤️



私の産んだエリザベスとパンダ。
大好きよ。





写真提供
すべて、黒沢孝行さん。いつも、いつも、オブリガーダ。

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