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京都国際映画祭 音楽解説

京都国際映画祭に喜劇映画研究会専属楽士として、

初登場させていただきました。

よしもと公式の取材も受けました。京都国際映画祭HPニュース

<はじめに>

★衣装は、全編、自分で製作または、古着をリメイクしたりして、ディレクションしています。(15日にパーカッションにディスプレイしていた張り子のライオン(テディ)も自作です。パフォーマー時は、マスクなども自作しています。


★専門がリトミックなので、映像の中のリズムとテンポを分析して、同時に曲のモチーフや、音像(サウンドイメージ)を考えています。テーマ部分曲は、ほぼ全編、オリジナルです。(リトミシャンが奏でる映画の音という前提をとても大切にしています。)

★主宰している楽団「ぺとら」は、多国籍民族楽器、古楽器の集団なので、世界中の古今東西の音楽が身近に感じています。なので、私の即興モチーフには、古今東西のろんなタイプの音のリズムがちりばめられています。ブラジルやヨーロッパのダンス音楽が多いです。

★オリジナルも含め楽譜は使用せずに、音色や機材つまみのオペレーションを含めた構成表をつくって「サウンドデザイン」をしています。

★ピアノタッチとオルガンタッチの両方を弾き、クラシック、ジャズ、ブラジル、サルサなども。

★キーボードには、本当にたくさんの音色があるため、瞬時に欲しい音を呼び出せる「フェイバリット機能」を使用しています。私は、だいたいひとつの作品で9音色を使えるように、全体の音像を「サウンドデザイン」として、プランニングしています。

リトミックでは、通常、ピアノで動きを指示するリズムを提示して、生徒たちは、それによって身体で表現しますが、映画では、その逆に、映像から、身体の動きとリズム、テンポを読み取って、それを音楽にするリトミックをしている感覚で取り組んでいます。


今回は、喜劇映画研究会の専属楽士として、

会の全面バックアップの準備のフォローがあっての出演準備、

そして、新しい作品においては、坂本頼光弁士との打ち合わせやリハーサルも経てて、即興で対応するライブ感覚は残しながらも、

お客様に安心してエンターテイメントを提供できる気持ちで、本番を迎えることができました。


山崎バニラさんとの「臨時雇の娘」は、再演なので、お互いにテレパシーを感じつつ、バニラさんの新たに紡ぎだしたワードに、感嘆しながら、本番を楽しみました。


何より、前回は、会場の雰囲気で洋装だったバニラさんが、今回は、金髪に着物の正装だったので、見惚れてしまい、暗闇で光を浴びているバニラさんは、本当に美しかったです。音楽で寄り添うことができ、幸せでした。


ミュージシャンとしてのキャリアは、

「歌のお姉さん」「踊りのお姉さん」のアイドル的な時期から数えると、

もう、30年ほどになります。

幼稚園の園長の任が終わり、フリーになってからは、

楽器製作のワークショップ事業も、リトミックなどを教える以外に手掛けており、

表現活動は、踊ること、演奏すること、つくることの3本立てでやっています。

映画に関しては、

今は、こうして、じっくり時間をかけてつくる「作品」が、とても愛おしいです。

現役の間に、あと、何作品できるのかな?

他の専属で、楽士をしている方に比べると、

ミュージシャン楽士のペースは、ゆっくりですが、

お客様にとって、いろんなスタイルのサイレント映画のチョイスの中に、

私のようなエンターテイメントを重視した音像が受け入れられればと思っています。

 

私は、今まで、「玄人うけ」はするけれど、

「わかる人にしかわからない」音楽というカテゴリーに満足していましたが、

京都国際映画祭に出演させていただいたことで、

お客様を置いていかない音楽というものについても、考えるようになりました。


京都国際映画祭で、感じたこと、学んだことは、

また、自分のスタジオ(むらさきmusicラボ)のこどもたちの育成に、役立てたいと思っています。

 

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