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「臨時雇の娘」の音楽

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「臨時雇の娘」につけた音楽の記録です。
各所のテーマを軸に、スクリーンを楽譜(速度と、尺、残り時間)がわりに、
即興で演奏をしています。
なので、毎回、違う演奏になってしまっています。
<<リトミックをする人が演奏する映画伴奏>>
サイレント映画を専門に演奏されるピアニストさんや、
フリーが得意なジャズミュージシャン、
ご自身で作曲をされて譜面を用意される作曲家さんが、映画に伴奏されることもあって、サイレント映画の音楽の関わり方は、いろいろだと感じています。
私は、譜面も、譜面用のライトも置かずに、リトミックをしている気持ちで、映画の伴奏をさせていただいています。
それは、
私の表現活動の「動きで音楽を空間で演奏すること」のパフォーマー活動も、
リトミックや保育用に、開発、製作している「手作り楽器作家」も、
「むらさきmusicラボ」の音楽教育活動も、
そして、自分でモチーフを作曲して、即興演奏でつなぐスタイルの「サイレント映画伴奏」も、
私の中では、すべて、リトミック(時間と空間をコントロール)することだと、思ってやらせていただいているからです。
<<作曲モチーフについて>>
1 「オープニングテーマ」  パンパカパーンというファンファーレのコードは、Cです。
2 「パパのテーマ」  今回、一番たくさんでてくるテーマです。パパの大きな愛が、いろんなことを包んでいる雰囲気です。場面によって、いろんな音色で登場します。メインは、ピアノ音色。
3 「演劇ごっこのテーマ」 アメリカの古いブギのリズムを、ハイハットシンバルと、アプライトベース音で、打ち込んだAUDIOを再生したものに、スクリーンとシンクロさせた目の動きなどの主人公「スー」の「パントマイムごっこ」の動きをピアノ音でリアル演奏しています。
4 「バトルシーン即興」 ゴスペル用のパワーのあるオルガン音色での即興。
5 「未亡人のテーマ」 ベトナム口琴生演奏
6 「スーの闊歩」 歩き方の特徴をfeat.したテーマ ナイロン弦ギター音色
7 「デビーのテーマ」 ストリングスで、ちょっと曖昧なデビーの笑顔と、スーを見つめる潤んだ瞳を核に、ろうそくの灯のゆらぎのように、スーに翻弄されるたびにゆらぐデビーの気持ちも、スクリーンに忠実に音で再現しています。
8 「結婚式」 ダンスパーティの場面で踊られている振り付けから、新野氏の指摘で「チャールストン」のリズムを設定し、バンド編成の部分は、BGM風に、打ち込み再生をしています。ゴースト的な演出場面は、すべてリアルタイムキーボード演奏で、動きとシンクロさせています。
9 「疾走感サンバ」オープニングの能天気なメジャーのCコードとの対極のcマイナーコードで、そのシーンごとの「スー」の心臓のドキドキ感を同じBPM(速さ)で、デフォルメ演奏しています。カーチェイサー、全力疾走の馬車と見応えのあるシーンの一部で、バニラさんのお勧めで、「voice」を挿入させていただいています。「追い風」のニュアンスです。
10「都会の喧騒」キーボードによるドラム音 即興 車のクラクション音の表現
11 「衣装部屋のテーマ」ミュゼット音色。主に、「スー」の臨時雇仕事場において。スクリーンに登場する人数によって、音の数を表現しています。ボスと二人の時には、メロディのみ。カウンターで、数人を対処しているところは、普通のブンチャッチャなのですが、大勢がおしかけたところでは、がんばって、指は10本しかないけれど、12音ほど出しています。
また、上司の大柄の女性は、きっと肉食だろう、アルゼンチン出身だろうと、勝手に想像し、タンゴのリズムにしています。
12「クリスマスのテーマ」ここのみ、オリジナルではなく、冒頭から数フレーズを、ガブリエル・フォーレの「レクイエム」より「ピエ・イエズ」を使用しています。(クラシック曲)音楽の目線を鳥よりも高い位置の「天使」がみた実家の風景というイメージです。バニラさんのアイディアで、ここは、「デュエット」になっています。
13「テディのテーマ」サックス音色。犬らしいハァハァした呼吸を表現しています。細かいですけれど、お手をしたりするときに、息もれのように、でちゃう鼻息も出しています。
14「詐欺師のテーマ」悪巧みをする頭脳の回転を、「トライアングル」で。良心の呵責が垣間見れるかもしれない目の動きを倍音の笛「コンツォウカ」で吹きつつ、キーボードで、ドローン音としてのベースを弾いています。悪い人を演奏するのは、とっても難しいと思いました。
15「スタジオカメラテスト」映像のピアノストの左手から、「ラグタイム」のリズムと理解して、1本目の他の女優さんは、そのピアノニストと同じ速度で、ラグタイムっぽい曲をつくって弾いています。2本目は、「スー」のいっぱいいっぱい感を出すおそめの速度で、3本目は、もっともっといっぱいいっぱいな感じで、そして、最後は、画面と同じく、崩壊した演奏をしました。お先まっくら、ヤケクソ、という感じです。
16「アドベンチャー映画撮影」テーマパークのような雰囲気のリズムループに、アフリカの木琴「バラフォン」の音源を重ねて打ち込んだ音源をAUDIO再生した上に、シンセ音を低いオクターブ再生にして、コントローラーで、ゆらぎをつくりつつ、「ライオン」の吠え声と、ガルル、ブルルル、という下腹部を震わせている音声もリアルで、演奏しています。
ライオンの鳴き声は、サンプル音も試したのですが、いろんなニュアンスの鳴き方を「ヌマ」さん(ライオンの名前)がなさっているので、再生音のファイルを作るのも面倒なので、全部、演奏してしまえば良い!という結論に達しました。
サンプル再生には、電子楽器「ケロミン」の類似品も試しましたが、映画を見ているお客様に気づかれない方法の方が、良いということで、キーボード演奏ということになりました。
パーカッションのソロ部分は、本当は、アフリカンジェンベを持ち込みたかったのですが、スペースの都合で自作の油絵キャンパスのフレームに山羊皮を貼ったフレームドラム、モロッコのフレームドラム、パンデイロなどを使用しています。
17「ライオンの覚醒」この曲のリードギターのイメージは、「布袋寅泰」さんです。勝手に、脳内で出演していただき、一発録音できました!打ち込みのオリジナル曲です。バニラさんのアイディアで、voiceも生演奏で、重ねることになっています。ここのイメージは、「シルクドソレイユ」のシンガーでなりきって歌っておりますが、キーボード右手では鍵盤、左手ではコントローラーで、ライオンの鳴き声をリアルタイムで操っています。
18「お助けデビー登場」
アンパンマン的なメロディラインで、「デビー、デビー、行け〜!」と、メロディが謳っています。
19「ショパン風スケルツォ」騙されてしまったことを理解したお父さんの悲しみ。足元のふらつきをこのリズムで表現しています。
20「乱闘シーン」6・6・6・5の複合拍子、3・2の5拍子などをハープシコード音色で入れつつ、アカペラのヴォーカリーズも入れています。
21「パンデイロソロ」タンバリンなのに、ドラム並みに複数の音がでるパンデイロを私のパーカッションの師匠「小澤敏也」をオマージュして、なるべく「スザーノ奏法」を意識して生演奏しています。スクリーンは、黒人のボーイが、ブラザーウォークをしているシーンです。
22 「オルガニータ」パパのテーマを、紙製のシートにパンチで、手打ちしたオルゴールを新野氏にまわして演奏していただきました。
23「フィナーレ」オリジナル曲ですが、ソウルモチーフは、「サウンドオブミュージック」の「すべての山に登れ」です。女性の生き方賛歌のようなイメージを伝えようとして、アルト音域の鍵盤をガッツリおさえて演奏しています。
24「ラストのライオン吠え」私は、かつて、幼稚園園長でした。もしこの「臨時雇の娘」を私の幼稚園で上映したら、きっと、こどもたちが、終わったら一番に聞くことは、
「先生、このライオンさんは、悪いことをしたから、追い出されたの?」
「まさか、殺されてはいないよね!」
と、こどもならではなの発想なのですが、ライオンのその後について、気になったことと思うのです。
だから、
「ちゃんと、生きてますよ〜。ちょっと、怒られたけど、ちゃんとご飯ももらって、暮らしてますよ〜」
ということを、表現したかったのです。
だから、ちょっと、おちゃめに、
「ガ〜〜、お〜〜〜ぉ。」
というひらがなのような、ニュアンスの吠え方で演奏してみました。
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「臨時雇の娘」は、約70分間。
直前に、喜劇映画研究会で、短編の9作品に音楽と、一部語りをつけて、ソロ公演というのをさせていただいておりますが、
長編作品は、初体験。
まったく無音の映画作品の映像を眺めつつ、音をイメージしながら、心に浮かぶのは、やっぱり、幼稚園で過ごした園児たちの率直な声たちです。
こどもたちに、長い長い絵本を読み聞かせるようなイメージで、取り組ませていただきました。
本当に、
本当に、
感謝です!
ありがとうございました!

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