本園では、夏休みの宿題に「アデュフェの中身をつくる」という課題を親子でがんばってもらっていました。そう、この日に、今の自分を閉じ込めておけるタイムカプセルのような楽器をつくる事を目的として、夏休みの自由な時間にいろんな素材を集めてもらっていました。
「この音はどんな音がするのかなぁ〜」と、みんながそれぞれ考えたこと。
表現したいものを組み合わせて、新たな大きなイメージをつくること。
いろんな経験をそれぞれに積んだんだなぁ〜と、感じつつ、
とうとう、アデュフェをつくる日がやってきました。
タジーさんこと、
タンバリン博士 田島隆さんは、奈良在住のドイツで行われるタンバリン世界大会でも優勝された経験もあり、そして、今年もその大会で、日本のリズムをタンバリンで紹介する事にも挑戦されたそうです。
浜松の楽器博物館で、「アデュフェづくり」ワークショップがある事を知り、
いいな、うらやましいな、という気持ちとともに、
保育者として、
「これは、見ず知らずの飛び込みの親子が集まって製作するのは、もったいない!」
と、思いました。
保育者がオーガナイズして、適切な支えを行うことで、ただの親子の一日の思い出でとどまらずに、一生のうちの短い「こどもだった時期」を閉じ込めておけるタイムカプセルになると思ったのです。
間もなく閉園を迎える本園ですので、最後の観劇会は、
一生の思い出にしなければなりません。
まり先生も知恵を絞りました。
まずは、タジーさんの世界のタンバリンについてのレクチャー。
フレームドラム(ペルシャ)、パンデレッタ(スペイン)、タンブレッロ(イタリア)、レク(エジプト)、カンジーラ(インド)、バウロン(アイルランド)、アデュフェ(ポルトガル)といった地域のタンバリンを実際に演奏してくださいます。
作り方の説明と、作業風景です。
親子ごとにテーブルを囲み、出産のために退職されたウキ子先生、ウリ先生も、それぞれのお子様と一緒に参加。このベビーちゃんたちは、二人ともそれぞれ、ママのお腹がポンポコリンになるまで、幼稚園で胎児として過ごしたために、リトミックの胎教を受けて育ちました。ウリ先生ちのたっくんは、「マイタンバリン」を持参するしてくるほど、タンバリン愛がある子だそうです。胎教って、不思議!
タジーさんは、本当に世界レベルの演奏家なのですが、
こんな風に、工作の指導も上手で驚きました。
まり先生は、神様に守られているので、
「この日は絶対に晴れる!」
と、信じていたけれど、やっぱり晴れました。
こうやって、「アデュフェ」をスライドのようにお日様を通して透かしてみること。
投影すること。
お友達のアデュフェを重ねて、色の重なりを楽しむこと。
これをやらなくて、どうするのでしょうか!
やれてよかった!
みんなこのために、
「透けてかわいい素材」
をがんばって探したんだもんね!
良かったよ。
園舎をバックに。
これが私の宝物です。
本来ならば、
タジーさんのパフォーマンスショー「タンバリン教」というコンテンツに参加したした人だけが、許される幻のポーズを、特別に、小さいベビーも一緒に撮影させていただきました。これは、著作物なので、正面はNGです。これが、実際にはどうなるか知りたい方は、ぜひ「タンバリン教」に、足を御運びください。
お弁当は、ママたちとタジーさんと一緒に食べつつ、
「いったいいつ頃から、髪の毛を伸ばしているのですか?」
等の、ママたちの素朴な質問に受け答えをしてくださっていました。
ママたちが帰った後、
タジーさんの東京の生徒さんで、
まり先生とも友達の元保育士のキムケン君も呼んで、
一緒に保育室に入っていただきました。
元保育士のお兄ちゃんに、手遊びをしてもらい、
新鮮に楽しむ子供たち。
「若い!」「男の先生」
両方楽しめました。
園歌、お帰りの歌をタジーさんのタジバリン(創作楽器)と、キムケンお兄ちゃんのタンバリンで、一緒に合奏しました。
職員室で仕事をしている間、
お二人には、楽器部屋で待っていていただいて、
終業後に、巨大ホームセンター「ジョイフルホンダ」へと、銭湯へ。
うちの中3の息子パンダも一緒です。
タジーさんは、ホームセンターで、いつも「楽器になるもの」を探していらっしゃるそうで、本当に楽しそうでした。
息子パンダは、キムケンお兄ちゃんと一緒に銭湯でかくれんぼをしたのが、本当に楽しかったそうです。
キムケンお兄ちゃん(29歳)を、駅まで送って、
タジーさんは、二泊目の楽器部屋でのお泊まりです。
寝る前に、ちょっとだけ、
私もパンデイロを自分で組み立てたり、修理をしたりしているので、
タンバリンとパンデイロ、同じタンバリン族共通の「ジングル」について、
意見交換をしました。
まり先生も、いつか、タジーさんのように、
自分でジングルが打てるようになるでしょうか?
パンデイロは、一番、最近、発明されたタンバリンなので、いわばプラモデルのように、ジングルをはじめ、すべてのパーツが、自分で付け替えが可能です。
でも、タンバリンは、一度、つくったら、そのまま、壊れて修理する事はあっても、気分で替える事はありません。
そんな違いはあるものの、でもやっぱり素材は、同じ。
でも、奏法も構え方も違う。
縦に持つタンバリン、水平に持つパンデイロ。
この二つの奏者たちは、通常、交流がありません。
でも、一緒に意見交換をすると、こんなに楽しい事がわかりました。
まり先生は、ぜひ、この経験を、
こどもたち、みんなに伝えたいと思っています。
タジーさん。
世界中のタジーさんのタンバリンのお友達へ。
私たちは、世界のタンバリンについて知る事ができたことを誇りに思っています。
まぁるい楽器、心はひとつ。
タンバリン、フレームドラム、いろんないろんなまぁるい楽器。そして、パンデイロ。
まり先生は、ぜんぶ、大好きです。
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