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エリザベスの私設合宿

エリザベスの私設の合宿のお知らせは、プリントではなくて、LINEによって伝達されているらしい。

問い合わせにかかっている電話に彼女がスラスラと受け答えをしているのを聞きかじると、

持ち物は、翌日の制服のYシャツ、寝間着、翌日の部活着。

かかるお金は、貸し布団代1050円、温泉入浴料800円と、夕食のほか弁代、

幼稚園への施設使用料100円。

高校生が、3000円くらい出すって、大変なのかと心配していたけれど、誰ひとり文句を言う事なく、エリザベスの提案を受け入れて、1年生の演劇部員の全員の13人が、幼稚園に宿泊する事になった。

これは、エリザベスがずっと思い描いていた、「自分がプロデュースするお泊り会」で、かつ、1年生部員たちが熱望している「先輩たちがいない自分たちだけの演劇の部活動」だったらしい。当然の事ながら、彼女たちは、まだ1年生の扱いしかされていないので、いつも2年生の先輩たちの指示で色々なワークをやっているのだろうが、いつか自分たちの力で、自分たちがやりたい事をやってみたかったのだと思う。実は、それは、本当の2年生になれる後数週間後に、実現しそうな気もするわけなのだけれど、とにかく彼女らは、盛り上がっていたわけだ。

エリザベスが譲れなかったのは、家から車で15分ほどの場所にある入浴施設に、友人たちを引率する事。

時間的には、部活が終わった夜から、翌日の部活がはじまる昼までが、施設の合宿滞在時間となるわけで、さすがにそこに入浴がないのは、まずいという乙女心なのである。

それで、当初の計画では、温泉の最寄り駅からのシャトルバスを利用するというものだったのだけれども、1時間に1本、しかも、定員制なので、13人が全て乗車できないリスクを考えて、なんと私に白羽の矢がたってしまった。

何よりも運転が大嫌いで、やっとやっとの私で、実家の母にも、なるべく運転はしないようにと言われている私が、13人を3班に分けたピストン輸送を請け負う事になった。

1班を学校の最寄り駅から温泉へ

2班を温泉へ

3班を温泉へ

1班を温泉から幼稚園へ

2班を幼稚園へ

3班を幼稚園へ

エリザベスが、それぞれの班のリーダーになれそうな子を選出して、それを中心に班わけをしたらしい。さすがに、3班は、1時間くらい駅で待機できるくらいの大人な物わかりの良い子たちが揃っていて驚いた。私は、演劇部の公演も二回くらい観ているので、キャストの子も裏方の子もなんとなくわかるのだが、部員の皆さんは、私の顔を知らないし、私と娘はあまり似ていない。でも、娘があらかじめてうちの車の写真を何かにアップして共有していたみたいで、私が駅に近づくと、みんなが「演劇部です」と言って自動的に乗車してきていた。

みんなが、私の事をちっとも疑わずに、この人を100パーセント信用していていて、途中でやっぱ嫌だとか言わないと信じている。こうゆう力は、やはりこども独特なものだなぁ、と思った。

そして、エリザベスの狙い通り、入浴施設の人気は大当たりだった。一般のお客様に、「静かに」と注意を受けたという事も正直に車の中で報告してくれた2班の方。エリザベスは、中3の受験期には、週に1回くらい塾が9時近くに終わる日があって、私は車で迎えに行って、そのままこの温泉に来る事をしょっちゅうしていたので、ここには慣れている。だから、自分が一緒に行動していた1班の人たちには、「何故、もう少し味あわないのか?」と言われたらしい。JK(女子高校生)にとって、温泉は味あわないといけないものらしい。3班の方たちは、雨だけれども、露天にもサウナにも入ってきたそうだった。次回は、私は、この3班の方たちとだったら、さりげなく一緒に入浴しちゃっても違和感がないような感じだった。

エリザベスもそうだけれども、他の演劇部員たちも、高校生になってやっと自分の好きな世界を共有できる本当の友達に出逢ったそうだ。中学までの友達は、近所で、幼い時から知ってはいるけれど、こんな風に素がだせずにいたらしい。進学校なので、みんなそこそこの優等生だったのでしょう。プロの私から見ても、ちゃんとした会話のできる子たちでした。

1班は、2班、3班が戻る前に、ほか弁に夕食の買い出しに行ったそうでした。高校生ながら、エリザベスの采配で、システマチックに、ミッションが遂行され、夜もホールで暗幕を張って芝居の稽古をしたらしいです。

朝、8時の約束で朝食の用意をしようと、宿泊している図書の部屋をのぞくと、みんな爆睡をしていました。お泊り保育の習慣で、思わず寝姿を写真に撮りたい気持ちになりましたが、我慢。心でシャッターにとどめました。

温泉に迎えに行った時には、彼女らのカラフルな寝間着(温泉あがりは、皆、寝間着になっていました。そうゆう指示だったようです。)で、ちょっと慌てましたけれど、起き抜け姿は、やっぱりみんな寝間着が可愛いです。そのまま朝食バイキングをしたらしく、ゴミ捨てコーナーも、エリザベスがちゃんとこさえていました。エリザベスは、キャンプがあまり好きではないと言っているけれど、こんなところは、なんだかキャンプのセンスに溢れているではないか。

その後、片付け班と、布団畳み班に分かれ、図書館を明け渡してもらって、清掃の確認に行くと、彼女たちは、もう制服に着替えて、朝の部活を園のホールでやっていました。見学させてもらうと、いつもやっている課題だそうです。

エリザベスは、まだまだこのメンバーで、幼稚園のホールを使ってやってみたい事があるそうです、例えば私のパペット人形やぬいぐるみを使っての即興劇や、私の所蔵している絵本で読み聞かせ(自分が小さい頃に読み聞かせをしてもらった本)を友達同士でしあったり、それに、

「ママにリトミックをみんなに教えてもらうのも良いと思う。」

と、言いました。

毎年、教えにいかせていただいているのが、総合高校の1年生の授業なので、ちょうど、自分たちと同じ年頃。自分も娘だけれども、高校生バージョンは知らないのでやってみたいと思ってくれたようです。

嬉しいし、まだ可愛いなぁ、と思う。

高校生の年頃なら、

バイトに忙しい人もいる、

受験にむけて今から本気モードの人もいる、

母となって子育てをしている人もいる、

何をして良いのかわからず、遊びという放浪を繰り返している人もいるでしょう。

そんななか、園に集結した1年生の演劇部員たちは、ひとりも欠ける事なく、

エリザベスの発案にのってくれた。

文句を言う子がいない事が、こんなに嬉しい事はないと、娘は感じたそうだ。

リーダーシップの体験として、履歴書に書けるくらいになるまで、

「主催する」という事を学ぶきっかけになったと思う。

ちょっとだけ青春を一緒に感じさせてもらって、

みんなが一緒に部活のために登校を見送るのを待たずに、

今度は、息子と一緒に羽田空港に出発です。

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