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レ・ミゼラブル

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今年の映画鑑賞の〆となりました。
日本語バージョンの舞台化されたミュージカルもあるのですが、
(そして、4月の同窓会で愉快なステージを見せてくれる坂口勝さん(マーボ君)が出演もされていたというつながりもあるのですが、
実は、私は一度も観た事がありませんでした。
小説も、小学生の時にあまりに暗くて挫折。
まず、パンを盗んだ(ジャンバルジャンが)というところから、
なんで、そんな悲しい物語を読みすすめなければならないのか、
と、投げてしまったのです。
でも、音楽は耳がタコができる程、聴いて育ちました。
今年、亡くなった父は、中高一貫ミッションスクールの管理職で、夏はいつも生徒さんたちがホームステイをする間に、連絡場所としてロンドンに滞在していたそうで、その間にロンドンミュージカルを観て感動し、家にいる時におみやげのレコードを大音量で聴きながしていたからです。
ミュージカルといっても、
登場人物がそれぞれの自分の事情を歌詞にのせるために、重唱は全部歌詞も違う重なり合いのセリフのようなものです。ミュージカルというよりは、オペラの手法なのでしょう。
今回の映画の「レ・ミゼラブル2012」は、台詞がなく、すべてが歌。しかも、口パクではなく、演技をしながら歌うという撮影方法だったために、映画でありながら、音楽の世界観が勝る全く新しい表現方法だと思いました。
舞台版のミュージカルだったら、歌いどころ、聴き所で歌いきったところで拍手が入るようなタイミングがあると思うのですが、そんな演じ手たちの見せどころに感じ入るような隙間を与えず、歌唱力うんぬんよりも、その登場人物に感情が移入していってしまうのです。
主演のヒュー・ジャックマンは、19年もの間、牢獄に幽閉されていた設定のために、8キロの減量をして、冒頭の30分の間は、誰だかわからないような雰囲気でした。そして、後半は、その痩せていた頃からさらに15キロの増量をして、加齢感を表したそうです。
ファンティーヌ役のアン・ハサウェイも、ダイエットを激しくして、精神的にもかなり追い込まれていたという記事をみました。それだけに、演技と一体となった歌は圧巻。泣くという表現にも、いろんな種類があり、その細かいバリエーションをまるで、バレリーナがいろんな回転技を織り交ぜるように巧みにそして、自然に表情をつくっていました。
お尋ねもののジャンバルジャンは、きっと悪い人間に違いない。
彼を追いかけ回す警察官ジャベールを突き動かすのは、
そんな気持ちからわき起こる正義のエネルギーだったのだと思います。
でも、
そんな見えない看板には関係なく、
「ジャンバルジャン」は、自分の正しいと思う事をいつも貫きます。
ここで、
この物語の一番大事な要素は、
「ジャンバルジャンは、とてつもない力持ちの超人である」
という設定です。
これがなければ、全てがつじつまがあわなくなり、
物語が進んでいかず、
わくわく感、スピード感がなくなる。
本当によくできているストーリーです。
政治と民衆の声との絡みも、
今の日本の状況に重ね合わせてみることもできる。
民衆は、冒頭シーンでも貧しく、
施しを求める大衆はいるのだが、
それが時代が進むうちに、またどんどん政治が悪くなり、
そんな生活に困窮する姿の度合いが上がっていっていく。
これは、アンサンブルという群衆を表現するコーラス俳優たちの衣装では、対応できない、映画ならではの伝わる部分だろう。
西洋音楽と、西洋の風習というのは、
つくづく遠いという事も、よくわかる。
画面の汚さで例えると、
同じ汚いといわれた「平清盛」の汚さは、ドロや汗の汚れ。
洗えば落ちるのが和でいう汚さの限界のような気もする。
でも、劇中にでてくるテナルディエ一家の経営する宿屋の汚さは、
排泄物であったり、
いろんな肉を混ぜ合わせたりする異臭のするような汚さ。
でも、それが豊穣な土壌となり、
声と声が重なり合い、
歴史を映し出している。
冬休みに観ておいてよかった。
観た後に、しばらく脳が休みたいと言っているようだ。
本当は、
もうひとつ、餅つき終業の日に、「パレスチナ」のダンサーの来日公演を観にいっているのだが、
それは、まだ頭の中で言葉にできていない。
世界で今起きている事、
世界の歴史として、人類が経験した事、
これらをうまく脳内にファイリングして、
私自身の行動をなるべく「世界標準」にしていくのが志なのだが、
世界の経験値は、限りなく高い壁だなぁ、と、また思ってしまった冬休みのはじまりだ。
さて、明日から、
「冬休み、こどもと一緒シーズン」が年内まで繰り広げられます。
また、ご報告しますね。
パレスチナの話も、
頭がまとまったら、
1月のホールの壁面のデザインとあわせて、考え中です。

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