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でんでらキャラバン@南会津 こめらの森 後記

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東日本大震災復興支援のための「でんでらキャラバン」の活動の一環で、

南会津のNPO法人 森の遊学舎の施設「こめらの森」に派遣されてこの週末に行ってきました。

と、本来ならば、ここで、皆さんに活動の本質や、自分の見聞きしてきた事を全てお伝えしたいしたいところなのですが・・・。

残念ながら、今回は現地で発熱してしまい、まさかの途中降板で、自分の担当の「リズムクエスト」の任務を全うしたところで、

緊急送還で帰ってきたという情けない状態です。

(入園説明会にご来場の方や在園の方が今日の私を見て、「あれ?病み上がり?」といった顔は、そういう訳なのです。)

普段の私なら、きちんとイベントに合わせて体調を調整するべきという事はわかっているし、日程の途中で投げ出す事はない筈なのですが、

以下のような事情がありました。

週明けの今日、15日は、全国の幼稚園の願書配布の解禁日に合わせての「入園説明会」。

園長の役目としては、次年度の入園者数を決定する大事な日なので、万全に復調する必要があったのです。

一方、プライベートな事なのですが、出発の少し前に高校生の娘が通学中に自転車同士の衝突事故に遭い、念のためにレントゲン撮影をするために、

夜間に府中病院ERを受診したのですが、これが待ち時間が異様に長く心身ともにダメージを受けていました。

なので、ちょっと体調的には、今イチのまま、イベントに参加してしまったのですね。

途中離脱はしてしまったものの、高熱になる前の歩ける状態のうちに家路に着く事もでき、

解熱後、無事に入園説明会もこなせました。

でんでらチームの迅速の対応もあっての事で、感謝しています。

途中離脱はしてしまったものの、

いえ、してしまったからこそ、

夜の焚き火を囲んだ交流会でお話できなかった今回の私たちの「リズムクエスト」の詳細などについてお伝えしたい方もいるし、

私の体験をとおして、今、保養が必要な現実があるという事を広めたかったので、

記事にしようと思います。

まずは、でんでらキャラバンの紹介から。

つるさんことライオンキング等での活躍しているパーカッショニストの小澤敏也は、「でんでらキャラバン」のメンバーです。

私は、今回、つるさんのおまけとして「リズムクエスト」というタイトルのリトミックとパーカッションを融合させた企画をたてた中で、

参加をさせてもらうことが決まりました。

(中略)

でんキャラでいつも撮影を担当している映画監督でもあるモーリーさんは、

屋号で「旅する木」と名乗っていらっしゃいます。

いままでのキャリアを伺うと、その旅する木というのが、人間なんだけれど、存在を消して自然と一体となっているようなレンズが想像できて、

本当にご本人とぴったり!という感じなのですが、

その「旅する木」という言葉にインスパイアされて、おおたかさんは一つの曲を生んだそうです。

それは、ニューアルバムの「イコロ」に収録されているのですが、

今回、「こめらの森」に到着した時に、モーリーさんは、その「イコロ」をスタッフのマコさんに手みやげとして手渡していらっしゃいました。

「おおたかさんのニューアルバムなんです。」

って。

きっと、これは、とても個人的な行動なのだろうけれど、

なんだか「でんでらキャラバン」を物語っているなぁ、と思いました。

「おおたかさんのこの指とまれ」に集まった人たちの手みやげとして、とても正しいなぁ、と思った次第です。

「こめらの森」は、NPO法人 森の遊学舎が運営する施設の名前です。

震災以降に、主に福島県や那須地方のこどもたちが、保養をする施設として、

古い民家を賛同者の皆さんで、手作りで手を加えながら、

だんだんと、「施設」らしくしていったという経緯があると聞きました。

夏休みに放射線量の高い地域から、2週間くらいの長期で保養を受け入れると、

南会津は、福島県の中では、線量が少ないので、こどもたちは解毒の症状が現れたりするくらい、

元気に外での活動も楽しみながら安心して過ごす事ができるそうです。

そして、実際に、そこに何回も参加をしているご家族の話を伺うと、

「もううちのお父さんなんか、そろそろウチのこめらの屋根をやらないといけないな、っとか言っているんです。」

というエピソードがありました。

それは、いろいろと補修や改修作業をこめらのためにやっているお父さんが、次の目標としている事を指すのですが、

頭を整理すると、そのご家庭は、もともとはもっと原発に近い場所に住んでいて、

今は、いわき市に移住をされているという事。

おそらくは、他の地域に移る事も考えている中で、お仕事等の諸事情で今は、いわき市なのでしょう。

だから、今、住んでいる場所は、「自分の家」という感覚が持ち辛いと思うのです。

もともとの自分の家は、原発の影響で帰れない。

そんなご家族が、「ウチのこめら」と呼ぶ事ができるもうひとつの「家」がある事は、どんなに支えになるのかなぁ、と思ったのです。

そんな意味を持つ施設という事を感じました。

こめらの森の家は、イメージでいうと、「となりのトトロ」のメイちゃんが引っ越していったボロ家のような感じです。(失礼)

土間が広くて、トイレ(くみと~り)と、お風呂は土間からしか行く事はできません。

私が、リタイアした後の夕方は、こどもたちがドラム缶の風呂に入るために、つるさんは薪割りをがんばったそうです。

スタッフのマコさんがフラダンスをやっている関係で、ハワイからの支援物資で、ハワイアンキルトの防寒マットがたくさんありました。

「神風」とか「一番」とか「和平」とか、ハワイの人が考えてくれたメッセージが、パッチワークされたものです。

こめらの森は、とても寒いので、冬は寝袋の上に、そのハワイの防寒マットをかけて寝るそうです。

私、テレビで支援物資をたくさん見てきたけれど、

世界と心で繋がった支援物資が使われている現場を生で初めて見た。

そして、被災をするという事は、世界中からのそんな気持ちを上手に活かしていく事、上向きの気持ちがとても大切だという事がわかった。

こどもたちもそう。

福島県内を移住して暮らしているご家族がほとんどだったけれど、

この子たちは、もういろんなボランティアに慣れてきていると、すぐに感じられた。

楽器の準備やセッティングをしている私やつるさんを遠巻きに見て、

「この人たちは、どんな人なんだろう?」

を観察している気がした。

私たちに聞こえるように、

「あ、ピアノあるから、ちょっと弾いてこようかな?」

と、言っている子がいた。

フレンドリーなボランティアなら、きっと、

「いいよ」と、そこで活動が始まるんだな。

でも、私は、耳に入らない事にして、自分の仕事に没頭し、

こどもたちは、再び、遠巻きに見たあと、どこかに行ってしまった。

結果、ずいぶんと時間はあったけれど、幕があくまでは、一切コミュニケーションを取らずに、

「リズムクエスト」はスタートした。

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つるさんとは、楽団「ぺとら」のメンバーとしての他、二人だけでリトミックの講習会やパーカッション講座をする事も多く、

たくさんの現場を一緒に踏んできている。

それは、もう小学校まるごとだったり、こども会などの観客同士は面識がある場合、

こどもの城のように入館料で入場した一般のお客様なのだけれど、たいていはその場所には馴染んでいる場合、

いろいろな状況があると思うのですが、

今回は、福島県内からすでに避難しているご家庭が対象なので、

こどもたち、ご家族同士はあまり面識がないのを前提と考えて、

こどもたちとの関係形成がしやすいように講習会形式ではなくて、

「目から鱗の音楽とリズムの楽しみ方教えます」を伝えるショー形式のワークショップとする事にしました。

私のリトミックをいつもやっている人はご存知だと思うのですが、

音楽を楽しむためには、とっておいた方が良い壁のようなものがありがちですよね。

例えば、幼児の段階では、楽器の扱い方でも最初から正しい奏法を模倣する事よりも、

音がでる事への科学的な興味の方が優先されると思うのです。

そこから工夫できるのりしろを残しておいて、音の楽しみから音の違いの考え方へ導いてあげる事で、

この講習後も、自由な発想で音楽と触れ合う事ができます。

後に役立つ事を伝えるのが、今回はポイントだと思いました。

「見せる技」と「面白い演奏」を担当してくれている「つるさん」の楽器や、食器などを演奏する姿は、

野獣と呼ばれる運動感覚と視野を持っての事なので、普通とは言えませんが、

見ていて無駄もなく、とても美しいものです。

こどもも、オトナもびっくりしてくれました。

プログラム内容の紹介です。

第一部 ミニコンサート

「探し物」

私の作曲した元は歌詞のある歌なのですが、つるさんと一緒バージョンでは、ヴォーカリーズといって、あえて歌詞ではなくて擬音をつかって、

声も楽器の一部として演奏しています。

イベントのオープニングにふさわしいように、なるべくたくさんの楽器をご紹介するような形で行いました。

ライブ演奏の時のロングバージョンでは、つるさんが「ホーミー」というモンゴルの喉歌の唱法をするシーンもありますので、

また、それはいつかの機会に・・・。

「スプーン」

種明かしをすると、ご家庭にあるスプーンなのですが、万力で楽器として演奏しやすいように形状を変えています。

今からおよそ25年前に、私もその場にいたのですが、ベトナム系のフランス人の人がパフォーマンスとして伝授してくださって、

それから、つるさんは猛練習で完全に自分の芸にしてしまいました。

ウルトラマンの真似ができるのは、顔の彫りの深いつるさんのみのオリジナル芸です。

参考動画

「おもちゃ箱のポルカ」

私たちと楽団「ぺとら」で共に活動をしているジャワガムランとピアノの福澤達郎さんの作品です。

「ドレミ」だけの3つの音でいろんなメロディを奏でる事ができます。

私たちが持ちこんだたくさんのスーツケースのうち、ひとつは、もうこの「ドレミ」専用の楽器ならぬ楽器になる日用品のケースとなっています。

底の高い茶碗、サイダーの瓶、いいちこの瓶などがあります。

面白いのは、サイダーの瓶をフーと吹いての演奏方法です。

これは、ペットボトル世代にはできない事だそうで、最初のうちは、若い人がこれができない事の方に私たちが驚いていたくらいです。

youtubeに作曲者のたっちゃんがピアノ演奏しているバージョンがありますので、「ぺとら」で検索をしてみてくださいね。

「サンバデモンストレーション」

大きな太鼓のスルド、小太鼓のカイシャ、金属のカウベルのアゴゴベル、小型タンバリンのタンボリン、水平に構えるタンバリンのパンデイロ等のご紹介をしました。つるさんは、「パンデイロッカー」を名乗っている世界的なパンデイロの専門家です。パンデイロはブラジルの人たちが、ひとつのタンバリンを工夫してドラムセットのように高い音や低い音のバリエーションで演奏できるようにしたものです。更につるさんはマルコス=スザーノ奏法の日本での伝道者と言われていて、パンデイロのチューニングを変えて、裏側の中央にゴムを貼って、ブラジル音楽だけではなく、ロックやポップスなどの様々な音楽に応用できるような奏法を日本各地で紹介しつつ、youtubeでの「パンデイロウェブレッスン」というシリーズも公開していて、世界中に購読者がいます。

パンデイロでロックをするおじさんなので、「パンデイロッカー」。

「こめら」の皆さんには、パンデイロを頭や肘などで打つ曲芸の奏法がびっくりで印象的だと思いますが、それは、いままでお伝えしたようなものとは、別で、つるさんの野獣といわれる運動神経からくる「おまけ」のようなものです。

大人むけの講習会などで、これをやると、

「タンバリンの曲芸か?」

と、誤解されてしまう恐れがあるために、めったにご披露する事はないのですが、

音楽との距離を縮める事を伝える今回のような活動だったので、思わず飛び出たようですね。

見られた皆さんは、ラッキーという事です☆

参考動画 サンバ  ウェブレッスン  パンデイロ技

第二部 楽器(ガンザ)づくり

サンバで使われる空き缶を使った楽器をみんなで製作するコーナーです。

今回は、中身として、BB弾、じゅずの実、えごの実を用意しましたが、

こめらの森から小豆も用意していただきました。

これらを好きなようにブレンドして、空き缶には紙を巻いて装飾をしてオリジナル感を出してもらいました。

大人の参加者の方は、日付や「こめらの森」とクレジットを入れている方もいましたね。

ナイスアイディアです。

製作が終了した人から、場所を移動してその楽器のいろんな奏法を工夫する「音探し」をしました。

私が持ち込んだ、世界のおもちゃ民族楽器も一緒にあわせて、

自分ひとりで合奏したり、楽器と楽器をあわせた音を確かめてみたり・・・。

楽器のイベントというと、自由に触って良い場合にも制限があると思うのですが、

今回のリズムクエストでは、楽器の音を通しての癒しも射程にいれて、

あえて、こちらからの提案はせずに、いろんな実験をこどもたちにしてもらいました。

自由にして良い、

という事がわかると、ここではじめて参加に意欲がでてきた子もでてきました。

今回の参加者のこどもたちも、やっぱり、すでにいろんなボランティアの大人を見ていて、

目が肥えていると思うのです。

その場でその時だけ親切にしてくれる大人はたくさんいるし、それはその大人の自己満足かもしれない。

いろんな人が慰問にくればくるほど、別れがたくさんあって寂しくもなるし、

だったら、自分のいつもの時間を大事にした方がマシ。

たくさんのボランティアを受け入れる側の悩みもあると思うのです。

私は、幼稚園の園長として、震災後の混乱の東京でお母さんたちやこどもたちのいろんな気持ちを共有しました。

もちろん、フクシマのこどもたちは、もっと大変な思いをしていた事は充分にわかっています。

でも、未経験だった計画停電で信号まで止まってしまった事、、ガソリン不足やスーパーの品物薄などのパニックの中、

通常保育を続けていく事、職員の出勤確保などに頭を悩ませながら、それらの連絡体系は、街のスピーカーだという事への戸惑い。

働くお母さんの中には、お弁当をつくる時間に停電にあたったら、深夜につくって冷凍しておこうかとか?

子育てをする中での小さい不安が積もる事に、ひとつひとつ向き合いました。

つるさんはパーカッショニスト。楽器をいつもたくさん車に積んで会場に向かうのが仕事です。

でも、ガソリンが手に入らず、電車で新宿ピットインに向かった時がありました。

電車の中に持ち込める楽器を慎重に選んで、車内のどこにいたら迷惑でないかも熟考して、ビリンバウ(ブラジルの弓矢の楽器)が傷つかないように気をつけて都内に移動をしました。

ストレスに弱い東京人にとっては、もっと大変なところがある事はわかっていながら、

充分にパニック状態だったと思います。

だからこそ、今回のこめらの森では、その場限りの楽しみを提供するのではなく、

「今後、こんな発想をするようになると、自分自身と音楽がとっても近くなって面白くなるよ。」

というメッセージを届けたいと思っていたのです。

それが通じて安心感が空間に溶け出してきたのでしょうね。

いい感じになってきました。

作業スペースの方で、まだ空き缶づくりに夢中になっている「つるさん」を呼び戻します。

つるさんの手で空き缶楽器ガンザのいろんな可能性のレクチャーをしてもらいました。

第三部  リトミック ソルフェージュ

そして、楽器を使ってのリトミック的なソルフェージュ(音符の読み書き)です。

リズムを聴いて模倣する、リズムを聴いて記憶して模倣する。

この二つの事を、足をステップさせて空間を移動しながら行うのが課題でした。

身体とリズムが連動する活動は、見た目よりも難しく、脳と足は直結していないものだなぁ、と知るきっかけとなります。

毎度、毎度のお約束としては、ここでお題を考えるつるさんが、ついつい難しくて一般的ではないアフリカンリズムなどを

ジェンベで叩いてしまい、

「難しいよぉ~~」

と、みんなで抗議をするのがお約束なのですが、

今回は、つるさん、かなり慎重にリズムを選んだようで、みんな完璧にマスターでした。

大人の人で、例えばサンバのダンス等、何か身体を動かす経験をした人なら、

このリズムと音を空間で表す、距離が出る、という事の面白さがわかっていただけたと思います。

それぞれのあらかじめ持っている知識で、オトナでも、コドモでも楽しめる活動だったと思います。

第四部  プレイバルーン

こどもたちの身体が「動きたい」と発していたのを感じたので、プログラムの進行をちょっと変更して、

ここで、「プレイバルーン」を登場させました。

プレイバルーンは、よく幼児教育の現場で主に運動会で発表するために使われる円形のパラシュート生地の布で、

みんなで端をもって中に入れば巨大な風船になるし、中に入らずに山にして昇る事もできます。

幼児教育の現場では、主に行進のバリエーションとして、笛などの合図で行う事が多いのですが、

私はリトミックに応用した音楽あそびとして使用しています。

リトミックの効用として、「身体と心を解放する」というのがあって、プレイバルーンは、これにぴったりなのです。

高校生の講座などでは、まず最初にこれをやると、

私の言う事を聞いてくれるようになる。(笑)

それくらい効果があります。

なぜなら、ちゃんとリーダーの指示どうりに動けば、全体がまとまって空気が閉じ込められてみんなは楽しい。

でも、一人でもルールを守らない子がでてくると成功できない。

と、わかりやすいからです。

もちろん、こめらの森のこどもや大人たちも、「プレイバルーン」は、気に入ったようでした。

特に、代表スタッフのタクさんは、こどもたちよりも顔をほころばせていたみたいです。

心と身体を解放させるような魔法の技をいくつかやったところで、

高揚した気持ちからの参加者の小さな子の嘔吐のハプニングがあったので、

ここで、水入りとして、小さい休憩を入れる事にしました。

スタッフたちが迅速に処理をする事を妨げないためです。

しかし、こめらの子たちの凄いところは、この水入りの休憩は、「先生の休憩」と思ったみたいで、

「じゃあ、これからこどもたちだけで、さっきのをやってみよう!」

と、小学生のお姉さんがみんなに声をかけていました。

幸い、嘔吐物の処理は終了していたので、私は前の活動の片付けと次の活動の準備をしていると・・・。

「じゃ、つるさんは、こっちに入って!」

と、その女の子は、つるさんをコドモチームに誘っていました。

つるさん(51歳)は、どうやら、コドモの仲間と認識されたらしい。

さっきから、さんざんスプーンを演奏したりと、他の人には絶対に真似のできない演奏芸をみせていたのにね。

ちなみに、私は、「まりりん」と自己紹介をしましたが、

何故か皆さんは、私を「先生」と認識している事がわかりました。

なので、私は休憩時間には、自分の作業に没頭できました。

しばらくして、つるさんが、

「俺、もう疲れたよぉ」

と視線でギブアップをしているようなので、プレイバルーンは片付けて、

次のコーナーに移る事にしました。

第五部 大型紙芝居「ぺとらのマンドラゴラ」

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楽団「ぺとら」の紙芝居の出し物の中から、今回は対象年齢にあわせて「ぺとらのマンドラゴラ」という参加型の紙芝居を選びました。

このお話も、画を描いたのも、音楽も全てオリジナルです。この作品では、「マンドラゴラ」という人の形をしたという植物のぬいぐるみも登場するので、

一見ホラー?と思えるタイトルですが、親しみやすいものとなっています。

少し解説をすると、楽団「ぺとら」は、古楽器バグパイプ奏者の主に欧州のルネッサンスの時代の世界、

つるさんのアフリカとブラジルの打楽器の世界、

『ドレミ』の福澤達郎のジャワガムランと超絶ピアノの世界、

そして、現役の幼稚園園長である私のこどもを動かすコトバのテクニックと、リトミック、そして、歴史的な背景に基づいたダンスという4人の個性を調和させた音楽を展開していて、キャッチフレーズが「古今東西楽団」なのです。

バグパイプは、中世ヨーロッパでは、放浪楽師が好んだ楽器であり、

その放浪楽師がいかにもとりあげそうなテーマを、ここでは選んだところ、「マンドラゴラ」という素材だったという事です。

「ぺとら」の物語には、代表作として、1902年のジョルジュ・メリエスの無声映画「月世界旅行」をモチーフにした音楽劇(つるさんの役はパンデイロマン)もありますから、一目でオリジナルとわかる紙芝居を自由につくっているという事です。

そんなわけで、「ぺとらのマンドラゴラ」は、皆さんに参加をしていただいて、物語の中の世界と楽器が融合したおはなしの世界を体験していただきました。目で見て、耳で聴いて、身体も動かすという五感をフルに使って物語の世界を感じる。私たちの紙芝居を見たこどもたちは、

「こんなんだったら、自分でもつくれそう!」

と、思うそうです。

自分だったら、こんな事をテーマに物語をつくろうかな?実際に絵筆をとらなくても、頭の中で想像するだけでも楽しいと思います。

そんなわけで、「こめらの森」では、大ラスに、マリオさんまで登場してもらって、みんなの力でハッピーエンドで幕は閉じられました。

第四部 まとめとプレイバルーン

途中でこどもたちの心と興味を掴むために登板させたプレイバルーンの本来の登場シーンでした。

高校生などの授業としてワークショップや、社会人むけの研修では、ここではじめて「恥ずかしい壁」がとれて、

身体を解放させて、思いっきり身体を動かす事の気持ちよさを感じてほしいと思います。

リトミックには、ダンス等のように上手い下手もなければ、新体操のように点数もない、正解もないのです。

誰でも、自分が耳に聴こえたように動き、それを表現できればOKなので、

体験した人は誰でも気持ちが良いと言ってくれます。

「リズムクエスト」では、そこに本物の楽器とパーカッショニストがいろんな音の提案もお手本で示してくれました。

オトナたちは、素晴らしいと感嘆するショーであっても、

こどもたちは、きっとそこに未来を見つけた事でしょう。

終了後、楽器を片付けるので、こどもたちには部屋を移動してもらって、

撤収作業をしていると、

「ねぇねぇ」と、熱心に参加をしてくれていた小学生の女の子グループが私の所にきてくれました。

みんな福島県内で避難移住をしている家庭の子です。

「今日、泊まれるの?」

リズムクエスト、成功したな。

この子たちとの距離が、ぐんと縮まった事を確信した瞬間でした。

実はこの時点は、すでに私が乗る帰りの電車の発車時間も決まっていました。

ホントは、具合が悪くて途中でリタイアなんだけれど、

慕ってくれているので、かっこをつけてこう言いました。

「先生ね。とっても大事なお仕事が月曜日にあってね。今、ちょっと身体がとっても疲れてしまっているから、早めに家に帰って休みたいんだ。」

ウソじゃないです。

私が熱があるといったら、この子たちを心配させてしまうから。

「でも、つるさんは置いていくよ。たくさん遊んであげてね。

それから、缶の楽器づくりセットも置いておくよ。夜、暇な時間があったらいろんな種類つくってみて。

それにね。とっておきのお土産があるんだ。ハリーポッターって知ってる?そのお話の中にでてくる100味ジェリービーンズを持って来たよ。(フロリダのユニバーサル・ハリーポッターの世界で買ってきたものです。)

たくさんあるから、みんなで楽しんで食べてね。」

「やった~~!」

と、こどもたちは、出ていきました。

こめらの森の神棚に、「100味ジェリービーンズ」はお供えされていました。

田舎ならではの、素敵な習慣に、笑みがこぼれます。

相方なのに、置いてけぼりのつるさんと握手。

ごめんね、とテレパシーで言いました。

でんキャラのモーリーさんの車で、会津鉄道の無人駅まで、

副隊長も一緒に見届けてもらうそうでした。

「まりりん 無念の強制送還の記念写真」Img_2833

映画監督のモーリーさんに撮影してもらえるなんて光栄なので、

無理して笑顔をつくっていますが、

途中降板で残念な気持ちと、申し訳ない気持ちがわきおこります。

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でも、見送りのお二人の優しさにつつまれて、

私の役目は、ここまで、という事で、と、気持ちのピリオドも打てました。

鬼怒川温泉行きの会津鉄道2両編成が到着しました。

私のために手を降ってくれる人に見送られて、まるでシネマのようです。

東京生まれの私は、上京の経験もなく、こんなシーンは、はじめての事です。

約束します。

まり先生は、絶対、リベンジする。

今、日本は、本当に大変な事になっている事が、頭をガツンとされたような衝撃で解りました。

東日本大震災のボランティア活動には、有名なミュージシャン等が元気を届けに演奏をプレゼントする事もあるでしょう。

自分たちにできる事をしたいと、アマチュアのミュージシャンも、それに続いた事と思います。

でも、受け入れる側の気持ちになってみると、

本当に聴きたい求めているものなのか?

毎日が受け入れ状態で、許容範囲を超えてしまうのではないか?

放射線量の高いところから、逃げられる手だてを手伝う事が本当に支援になるのでないか?

みんないろんな迷いがあると思います。

そんな中で、でんでらキャラバンは、南三陸のツアーなどの他に、

他の団体はめったに足をむけない線量の高い地域のフクシマにも、おおたかさん、チャン・ヨーコーさん、つるさんなどの音楽隊を派遣しました。

南三陸では、アロマ隊や整体隊がお年寄りに大変喜ばれており、

「わたしたち年寄りよりも、もっと若い働いてして、しかも子育てをしているお母さんたちにやってあげて」

と、次の要望を出されたようです。

今回は、保養という、震災前には予想だにしなかった需要に応えての派遣でした。

ミュージシャンなど、それぞれの特技を活かそうと支援を志す人が、現地に向かう時、

それが自費での渡航、食費、宿泊費となると、もはや続かないくらいの長期戦となっています。

でんでらキャラバンでは、募金活動の他、活動の詳細を説明しながらのチャリティコンサートも行っており、

それで集まったお金で、いろんな隊を現場ごとのニーズにあわせて派遣をしています。

募金についての協賛方法

アーティストの派遣などの交通費、実費などに使用されます。

いろんなしくみを今の時代を共有しているものの責任として、一緒に考えていかねばならないと思っています。

私は、今、45歳です。

こどもも二人産みました。

放射線に対する恐怖は、これから出産をむかえる若い人よりは・・・、というのも、

自分にできる事の要素だと思っています。

途中で帰ってしまって何ですが、

こめらの森に行けて、本当に良かったと思っています。

心残りなのは、

こめらの森のスタッフのタクさんの火起こしの技が見られなかった事。

いつの日か、きっと見られる筈です。

ご心配をおかけした皆さま。

まりりんは無事に、本日、入園説明会を乗り切り、保育終了後、早退はしてしまったものの、

明日からはフル勤務できそうです。

本日の入園説明会でも、こんな質問に元気に応えました。

「なにか、震災後に気をつけて変えていった事はあるのですか?」

ちょっと支離滅裂だったけれど、でんでらキャラバンについて話してしまいました。

だって、今、保育の現場で問題になっている事。

放射線についての質問などは、幼稚園にしないでください、

親同士でも話題にしないでください、と周知している園もあるというのです。

会話にする事で解消する不安もあります。

解決はできないけれども、

気持ちを一緒に受け止める準備はいつもできています。

だって、私も二人の子の母親なのですから。

ちゃんと言葉にはできなかったけれど、

そんな事を自信を持って態度に示す事はできました。

ありがとう、こめらの森。

ありがとう、でんでらキャラバン。

とりあえず・・・。

がんばって身体を治します。

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