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未就学児童のご家庭におすすめしたいこと

さる公共機関への寄稿ですが、
許可を得て、こちらにも転載いたします。

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こんにちは。
私は、○○にある「○○幼稚園」の園長、○○真理と申します。
毎日、3〜6歳のこどもたちを導き、見守っていく中でこころがけている3つの事と、
それを実践できる例をあげてお話してみたいと思っています。

まず、最初に「なるべくたくさんのオトナのモデルを見るチャンスをつくろう」
をおすすめします。
この年代のこどもたちにとっては、家庭でのルールが一番大きなものであるとともに、
だんだんと、他のご家庭と比べて、
「あれっ?これは違うぞ」
という事に気付く年齢でもあります。
わかりやすい例でいうと、クリスマスのサンタさんの対応にも現れています。
あるご家庭では、サンタさんは本当に欲しいものをさりげなく察してくれる魔法を見せてくれ、
違う家庭では、手紙によって商品を予約でき、
一方、アマゾンから宅配でサンタさんが手配したり、
ママが代行するというお墨付きもあれば、現金がきて自分で好きなものを購入する場合もあります。
「うちはうち、よそはよそ」が、はげしくわかるお年頃なのですね。
流行のゲーム機なども、誕生日まで待つ家庭もあれば、発売日に手に入れる親もいる。
このような事は、我慢をする事が最善の策ではなく、
いろんな大人がいるものだ、と理解をする事が大切なのです。
だから、我が園の行事では、たくさん、大人が出演し、役割を設けています。
これで、「あのおうちの父さんは、うちと違うな」という例をたくさんあげて、
世の中は、いろいろだ、という事の理解を助けているのです。
機会があれば、街にでて、いろんな大人を観察する機会を持ち、そして、わたしたちパパ、ママもそのいろんなオトナの一員である事を話し合えると良いですね。

第二にあげたいのは、「人前力をつけよう」というおすすめです。
一般的には、コドモは、お誕生日の時に主役に、オトナは結婚式の時に主役になると言われていますね。
でも、それだけでは全然、足りません。
何か発言したいときには、前に出るという気持ちを育てるには、この時期を逃さないでいただきたいのです。
おゆうぎ会や発表会など、こどもたちの発表の場はあると思われるでしょうが、それでは全然足りません。
意見があったら、前に出る習慣をつけるくらいの勢いをつけましょう。
日本では、未だに学歴や点数で評価をしますが、世界レベルでは、「リーダーシップの経験」「コミュニケーション能力」を問われ、習い事やスポーツでも長く続けた事は必ず履歴書でアピールする事ができます。
私は、ことあるごとに「サークルゲーム」「古今東西ポケモン名前」「好きな果物の名前を言ってみよう」などの機会を設けて、全園児の前で発表する機会をつくっています。「恥」という感覚は、「間違った事をいったら」「笑われたら」という恐れから生まれます。何も発言しない事は、日本以外では通用しないのですから、この年齢でビシビシと鍛えて積極性を育てましょう。
もし、所属している園で実践していなかったらリクエストをしてみても良いと思います。面白い企画や提案をいつでも、園長先生は待っていると思いますよ。

第三は「表現力を身につけよう」です。
これは、私の専門分野であるリトミックをしていて思う事です。
リトミックも表現の一部であるのですが、間違いや正解のないものをどんどん経験させて欲しいというものです。
ダンスや歌、楽器には、「上手、下手」があるので、下手だったらどうしよう?という気持ちから、それ自体をさけてしまう例もあるでしょう。点数があったり、正解があるものも、精神の鍛錬としは良いのですが、ここでおすすめした表現とは異なります。
私の教えている「リトミック」で、「海の中のものを表現しよう」とテーマを与えると、魚になっている子もいれば、海の流れを表現している子もいて、中には、「乙姫様」になっている子もいました。こうした発想が、想像力となり、人間の仕事力として発揮されるものになると思っています。


それでは、それらが融合させた自然な例をあげてみましょう。
それは、思ったよりも簡単です。オトナの手伝いをさせたり、仕事ぶりを見せて参加させる事が有効だと思っています。
例えば、私は園で読み聞かせる紙芝居を自分で物語をつくって、絵もこどもたちのみている前で書いて手作りしています。
物語をつくる過程で何度も筋が変わっていくのですが、こどもたちはそれにつき合うことで、「物事が修正可能」である事を知ると思っています。そして、絵を描く時もこどもたちが見もっている中で、絵筆をとります。絵の具の使い方、筆のなじませ方など、こどもたちはクラスの中では、やらされるばかりですから、「オトナの手仕事」には興味深々です。紙芝居以外にも、ホールの壁面も園児がリクエストしてくれば「シャベルカー」「消防車」などを筆で描き、超特大のぬり絵にして、こどもたちにクレヨン塗りを託します。園長にリクエストするのには、やはり人前力がいるようで、自信のない子は、友達を引き連れてきたりして、それでもがんばって自分たちの希望を言ってくるのです。ぬり絵も私の自作なので、正解はありません。今のこどもたちは、こんな年齢からドリルなど、○がもらえることばかりやっているので、こんな活動もとても楽しんでやってくれています。

本園の入園説明会では、「幼稚園は小学校の予備校ではない」と、幼稚園時代に経験させたい事などを優先するお話をしています。例えば、小学校で習うピアニカのために、月齢でできる事に差のある幼稚園時代に必死になって、スパルタで教える必要はないと思っています。幼児はキャパシティが小さいので、自分の容量以上の事を要求されるとバランスが崩れ負担になると私は思っています。そんな事をする時間があったら、「キット製作」ではなく、工夫してモノを作る気持ちを育てた方が良いと思いませんか?
廃材で木工をすると、そこにある材料の事は無視して、自分のつくりたい「宝箱」のイメージ画などを描いてしまってから途方にくれる子もいれば、「この木とこの木をくみあわせると何ができるのかな?」と工夫をする子もいます。なんでも便利にそろって、材料が切ってあるものばかりでモノをつくっていては、大人になっても自分の気に入らない事に不平不満ばかりを言うような気がしませんか?幸せな人間とは、自分で必要な事を工夫できる人間、そんな気持ちを育てたいですよね。

ご家庭ごとに様々な思いがあるとは、思いますが、ご参考にしていただけば幸いです。

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