« 国立音大講習会 | トップページ | リトミックワークショップ 8/6,2010 »

浅草と私

続けて参加をしている「紙芝居」のイベント「KAMISHIBAING いまどきの紙芝居」が、早くも次のプロジェクトに向かって進行しています。

今度のお題は、「地域密着」で、行政や大学もからんでの体制の中で、「浅草」について掘り下げるのに、我が「紙芝居」もからめていこうという動きです。何せ、「街頭紙芝居」は、浅草が発祥だそうですからね。

まり先生は、さすがに街頭紙芝居は知りませんが、昔の浅草ならちょっと馴染みがありました。
初孫でおばあちゃん子だったので、よく一人で大塚の家に泊まりにいき、夜の散歩にくりだしていたからです。昭和50年くらいのことです。


祖母は、もともと声楽家で日本でのオペラ「アイーダ」の初演の時にアイーダ役を演じた人物として、知る人ぞしるというソプラノの「手塚久子」という声楽家でした。(故人)

当時は、叔母(母の妹)が、SKD(松竹歌劇団)の団員(芸名 吹雪ひろみ)で、浅草の中心、国際劇場に出勤していたので、叔母と待ち合わせつつや、叔母の出演するレビューを観るほか、ただ、ブラブラと、「浅草を流す」という事も繰り返していました。

それで、こどもだった私にとって、一番嫌だったのは、浅草というところは、どこをどう通っても、「見せ物小屋」を通らなければならなかった事です。
「ヘビ女」
「狼女」
「一つ目男」
ただの一度も入る事がなかったことで、今でもかえって想像がかきたてられます。
「ヘビ女」の口上は、特に耳に残っていて、詳細は忘れてしまいましたが、どこどこの現地で発見された類いまれなる動物とも人間ともつかない代物で、大変危険なので、皆さんどうぞお気をつけください、のような事を弁士が入り口で語っていました。浅草寺から、花やしき、六区にぬけるような通りにあったと思います。

六区の近くには、朝鮮人街もありましたね。チマチョゴリ姿の人が幾人もいて、きれいな布地が売られていました。祖母は、大事な声楽の舞台の前には、ここで犬の肉を食べたとか食べないとか言って、私を脅かしました。祖母は演奏旅行で、戦前は、まだ占領下だった朝鮮にたびたび渡っていたので、肉食に対してもこだわりを持っている人でした。肉を食べに浅草という図が、あったのですね。

国際通りには、「ふくちゃん」というゲテもの料理屋さんもあって、祖母はよくそのショーウィンドウ前に立ち止まって、「ほれ、よく見てごらん」と、ゴキブリの揚げ物なんかを指さしていました。その他のメニューには、「いなご」とかがあったように記憶しています。

洋服を買おうとして、失敗した思い出があります。いつものように、国際劇場の公演がはねてから、派手なプリントの洋品屋に祖母が入りました。私の父におみやげを買おうというのですが、当時、教員だった父が着るのにはどれも派手すぎる歌舞伎役者やヒョウの柄ばかりでした。すると、店員さんが、
「六区の方はみんな粋ですからね。」
と、言ったのをこどもながらに
「そういうのじゃなくて!」
心でつっこんでいたのを覚えています。
六区がロックじゃない事も、それが地域の名前だという事もやっとわかったのはその時でした。
昔の大人は、いちいちこどもにわかるようには説明をしなかったものですものね。

それで、私の楽しみはといえば、
「花やしき」(遊園地)ではなくて、
1階がレストラン、2階から上、吹き抜けまでが屋内遊園地という場所でした。
名前は「新世界」だったかな?お子様ランチのおまけに「カルタ」が貰えました。
レストランは、今のファミリーレストランの原型のようなもので、お子様ランチは、そこにしかなかった記憶です。旗が立っているケチャップのついたプレートを食べさせてもらって、遊園地のフロアに行くのがあこがれでした。屋外の遊園地ではない、うらぶれた、多摩市にあるピューロランドに少し雰囲気が近い、薄暗い場所でした。

「花やしき」には、「できるかな?」のゴンタ君に似たモップみたいな機械じかけのロボットが、ただただギターやドラムを持たされて、揺れているだけの代物があって、たったこれだけの事なのにお金をとられるんだ!と思った事もありました。どことなくものがなしい、ディズニーランドの「カントリーベアジャンボリー」を個人で手作りしたような感じです。

その頃、コインを入れると、ぬいぐるみがただちょっと動くだけという「コインペット」というものもありました。お金を入れて、その分だけあなたのペットです。というのも、同じようなものがなしさですね。

こんなこどもの頃の刺激があって、不思議なもので、創作活動をする時には、そのエッセンスがふと挿入されているような気がしています。

と、いう訳で、私の「ぺとら」の作品の中には、いつしか「サーカス」とか、「ものがなしい」ような昭和の香りが漂っているというお話でした。

|

« 国立音大講習会 | トップページ | リトミックワークショップ 8/6,2010 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 浅草と私:

« 国立音大講習会 | トップページ | リトミックワークショップ 8/6,2010 »