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入園間もない泣きについて

明日の保護者会で言おうと思っていることを少し。

今ね、先生たちは新しい子たち、泣いてる子ばっか。
って、お子様だけではなく、お母様も不安に思っていらっしゃるだろうなあぁと感じています。

年長さんや、ものごころついていらっしゃる年中さんには、
伝えているだけれど、
これも全ては「秩序のため」で、
みんなが園生活を今までのように普通におくるためには、
新しい子たちに「ルール」を教えなくてはいけない。
そのためにまずは、泣く事をひとつひとつ解決していっているというわけです。

今までの3月の園庭は、
木登りをする子は先生の許可を得て、
砂場遊具は使用するものだけを持ち出し、
砂と泥は絶対に混ぜない。
そんな秩序が守られていたのです。
そこからいろんな遊びが発展する。
でも、そうゆうルールをまったく知らない人たちが大勢入ってくる。
早く、その子たちにそこをわかってもらわないと、
自分たちの遊びが危ない。
だから、今はちょっとだけ協力してね。
そうゆう説明をしています。

泣きの対処も、
ひとそれぞれちがいます。

発散方法がとりあえず「泣く」という事に置き換えられるので、みんな泣いちゃうのです。

みんな知らないんだよね。
「4月から幼稚園」なんだけど、
実は、ママは一緒には行かないんだってこと。

かわるがわる泣くんだけれど、泣くにもいろんな種類があって、プロとしてはその対処もいろいろとあるのです。

ほら、よく看護婦さんが、
「身近な人の発熱くらいじゃ、身体が動かない。もっと重症見慣れてるから」
と、言うらしいですが、
そんな感じです。

泣いているののメッセージをすばやく見抜いて、その重要度を計る。
お母様方にとっては、「うちの子が泣いているんだから、先生、早く飛んでいってくれっ。」
というところかもしれないんだけれど、
職業病で、その泣きの状態を観察してしまう。

それで、
「感情が爆発しているの、ほっといて、誰もかまわないで」
の方はしばし距離をおき、定期的に巡回して声をかける。

「ボク専任のママの代理が必要だから、絶対に側をはなれちゃダメ」
の方は、携帯する。
この携帯するという言葉は、保育業界用語かもですが、とりあえず自分の行動するどこへでもその子を連れていくということで、自分がトイレに行くとき個室に入るときも同室させることさえあるのです。


「次に何をすれば良いかわからない」
で泣いている方は、園庭に連れていって仲良しのすでに遊びをはじめているコドモのところに連れていって放牧。頃合いをみて離れる。

「誰か私を認めてほしい」
で泣いている方は、とことん会話をしなければいけないので、いろんなチャンネルを試した結果、「大人扱い 二人だけの秘密をもつ」パターンが良さそうだったので、先日の入園式での手品の種あかしをして、正気に戻っていただいた。

「連鎖反応」
で、泣き始めた方。
兄の付き添いで園に慣れている筈、まさかの「泣き」なので、
「アンタが泣いてどうすんの!」
と、一喝して、正気を取り戻していただいて、泥んこのところに連れていくと、そのまま何もかも忘れて没頭。

そんなわけで、
その時には、まり先生としては4人の「泣き」状態のお子様を携帯していました。4人を携帯するプロのテクニック。
左手に次に放牧する予定の段階の子をまとめて2人手を繋ぐ、
右手の人さし指に、子供の手を握らせる。この子は優先順位セカンド。
そして、もっとも優先順位が高い子は、カルガモのように後ろからついてこさせる。泣きながら。
もうママがいない現在、この人についていく他はない、と覚悟をきめて必死でついてきます。


そんななか。
アッコちゃんは気丈でした。

状況としては、
「泣きの連鎖の真っ最中。」
心の中の弥次郎兵衛が、泣こうかどうかゆれてるよ。


「アタシ、アタシ、こんな幼稚園、もう辞めてやる!
そして、もう小学校に入るんだ!

だから、アタシ、アタシ。。。

がんばる!」


おぅ!とにかく、「がんばれ!」と、声をかけて立ち去りました。


アッコちゃん。
もしかしたら、「泣けないキャラ」なのかもね。


みんなで笑ってお遊びするような幼稚園生活を夢みていたのにね。
初日だから、こんななのよ。ごめんなさいね。


アッコちゃんは強い子なので、
新人のくせに園に4台しかないリヤカーを陣取りました。

リヤカーの争奪戦は、本当はスゴい厳しいんです。
「先生、お願いだから早くお弁当のごちそうさま終わらせてよ」
と、懇願されるくらいみんな必死で利用権をかちとろうとしているのにね。
すごいよ、アッコちゃん。


4人の子を連れて、しばらく放浪すると、
年中さんから新入2年保育の「フラワーちゃん」に出会いました。

「フラワーちゃん」は、初めての一人で自立して遊べるこの環境が気に入ったようで、とても充実して遊んでいました。

そして、私に「知ってる?この幼稚園には鶏がいて卵もあるのよ。」
なんて、いろいろ教えてくれるのです。


知ってるよ。勤続22年目だべよ。
そうは言わずに、そのお花のような素敵な言い回しを楽しんでいました。


ちょっと彼女とは親しくなれそうだったので、
「もしできたら、私のことは、『まり先生』って、呼んでくれる?」
と、お願いしてみました。

そしたら、
「ゾウさんの先生で、いいんじゃない?」
と、私の保育エプロンのダンボのプリントを指差して言いました。

「それに、私の先生(担任)は、スティッチだったわ。」

そのうち、
みんな、
「普通」になっちゃうけどね。


大変だけど、毎年、4月。

こんな感じです。

そんなわけで、
「すべり台は一方通行」なんて、細かいルールが言える日がくるまで、
このくりかえし、積み重ねをみんなでがんばっていきまっしょい!

幼稚園は、「お約束」によって成り立っている「ちいさくても立派な社会」なのですからね。

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